テーマ本の紹介
『なぜ男は暴力を選ぶのか ドメスティック・バイオレンス理解の初歩』

すくらむ21インターンシップ生

書籍基本情報


『なぜ男は暴力を選ぶのか ドメスティック・バイオレンス理解の初歩』
(かもがわブックレット 143 沼崎一郎著 かもがわ出版 2002)

書籍の内容紹介と論評

 突然ですが、みなさんは“ドメスティック・バイオレンス”(DV)という言葉をご存知でしょうか?

それは、夫婦や恋人同士といった親密な関係にある男女が振るう暴力のことを言い、その大多数が、男性から女性に対してふるうものとされています。そしてこの本では、なぜ男性が妻や恋人に対し暴力をふるうのか、という問いについて解き明かされています。

 それでは、“暴力”とはなんでしょうか?

私はこの本を読むまで、暴力とは人を殴ったり蹴ったりするといった身体的な暴行のみを言っているのだと思っていました。しかし、この本では、「彼女が一人で外出すると、しょっちゅう携帯に電話してくる」「ついつい彼好みの洋服を選んでしまう」といった一見して暴力とは思えない、彼氏彼女の間では日常的にありそうな出来事も、実は暴力だとしており、暴力にはいろいろなタイプがあることを簡単なテストを交えながら紹介しています。

著者は、暴力を「こわがらせ、あやつる」力だと考えており、暴力をする目的を「相手をコントロールするため」だとしています。また、こうした「こわがらせ、あやつる」力を使って妻や子供たちをコントロールしようとする男性のことを著者は「バタラー」と呼び、「DVは、この「バタラー」が相手をコントロールするために、手段として選んでいるもの」だと考えています。

さらに著者はDVの加害者である男性がよく言っている、DVをしている理由について取り上げ、あくまでも暴力という手段を選んでしまった「バタラー」が悪いのだと主張しています。

この本を読むことで、今まで考えていたDVについて、知らなかった事実もあり、驚かされることが多くありました。しかし、こうした今まで知られていなかったDVの本当の目的や加害者の男性の意図について理解することがDVを防止するための第一歩であり、男女関係なく、まずDVについてきちんと理解することが大切だと思います。そして、そうしたDVの実態を知ることで、どうすればDVを防止することができるのか、どうすれば被害者をDVから救うことができるのか、といった根本的な解決に向けて考えていくことができると思います。

そのためにもまずは、この本を読んでDVのことについて理解し、DVは暴力をふるう側が悪いのであって、被害を受けている側は何も悪くない、ということを一人でも多くの人が知り、これを知った人々が、被害者たちが一人で悩まないように支えてあげ、時には民間の相談窓口を紹介してあげることでDVから守り、加害者についてもこの本をきっかけに一人でも多くの人が選択肢として暴力を選ばないようになってほしいと思います。


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