テーマ本の紹介
『ドメスティック・バイオレンス 男性加害者の暴力克服の試み』

すくらむ21インターンシップ生

書籍基本情報


タイトル:『ドメスティック・バイオレンス 男性加害者の暴力克服の試み』
(草柳和之著 岩波書店 2004年)

書籍の内容紹介と論評

本書は他のDV関連の図書と異なり、女性側からの視点ではなく、男性加害者に対してどのように暴力を克服させるかという視点に基づき書かれています。DVをしたことのない私たちからすると一見DVをする男性というのは暴力を振るっているという自覚をもっていると思いがちですが、実際に暴力を振るっている男性は暴力を振るっているという自覚があまりないみたいです。この自覚がなくDVをしているという点が、DVの被害の中で厄介なものであると思います。

以前はDVの相談について夫婦で相談にカウンセリングに訪れるということはあまりありませんでした。なぜなら男性側にDVをしているというはっきりした自覚がなかったからです。DV被害者である女性側から一緒にカウンセリングを受けに行こうと誘われても、自覚がない男性は女性側に非があるから手が出てしまうのだと怒りさらにDVをしてしまいます。また、仮に一緒にカウンセリングに訪れたとしても男性は一般的に自分の事情を中心に話をしてしまいます。実際、男性側に精神的に疾患がみられない場合がほとんどなので、DVに関して専門的な知識のないカウンセラーなどは夫婦間の問題であるというふうに片づけてしまいがちです。これでは、結果的に解決につながらないため、現在では男性加害者に対して暴力を克服できるよう取り組みがなされています。

DVは相手がいて成り立つ行為であり被害者の数だけ加害者がいるので、男性加害者に対して働きかけ暴力を克服させることは非常に大切なことです。本書で紹介されている暴力克服のためのプログラムは、男性加害者の専門相談、自助グループ活動、暴力克服ワークショップの三つを軸にしながら、男性加害者が自らライフスタイルの変革をダイナミックに図っていくというシステムになっています。男性加害者はこの三つを軸に暴力を克服していきますが、ここで忘れてはならないのは被害女性のケアです。一般的に男性側も女性側もパートナーとの別離を望んでいる夫婦は少ないので、DV問題に関して男性女性双方に留意しつつ解決へと向かって行かなければならないということを学ぶことができました。

是非ご一読ください!


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