テーマ本の紹介
『喜婚男と避婚男』

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婚活、保活、妊活などなど。結婚、出産、出産などにライフイベントに
関する報道やニュースが盛んです。

メディアの報道を目にする機会も増える中、本屋で見つけた題名の本を、
タイトルにひかれて読んでみることにしました。(→http://www.shinchosha.co.jp/book/610420/

この本は、昨今の男性の生き方・働き方、世の中と向き合う姿勢などを、
どのようにメディアが取り上げているかなどを、書いたものです。

著者は、マーケティング会社を起こした、1980年代のバブル景気から平成
不況を経験している姉妹です。

この本で著者は、1970年代の女性運動から男女雇用機会均等法の成立、
1980年代末までのバブル景気をつうじて「女の時代」が続いた一方で、
21世紀に入ってからひそかに「男の時代」が訪れていたのだと書いています。

著者は、単身男性にとってのイエ(家)、既婚男性にとっての家庭・家族を
まとめて「オウチ」という表現を使っていますが、このオウチ志向が強まっ
たと言います。

そのきっかけとして、家庭用ゲーム機、インターネット、擬似恋愛ゲームな
どが上げられています。それに加えて、メディアに登場する人々が臆すること
なくオウチの幸せを語ることに臆さない人々が登場しはじめ、また見かける
頻度も行動する人が増えたことも世の男性の背中を後押ししたのかもしれません。

たとえば、つるの剛志さんであったり、皇太子殿下であったり、小泉首相で
あったり。最近では、玉木宏さんだったり、速水もこみちさんなども含まれるかもしれません

一見、カジダン・イクメン、草食系男子などのフレーズからのイメージを中心に
語られがちな男の変化を、それだけには留まらない視点から切り出していく展開
をおもしろいと思いました。

結婚生活を心から楽しみ愛している男性を『喜婚男』と呼ぶ一方で、結婚を望まず、
むしろ避けながら、自分ひとりの生活を心の底から楽しみ愛している男性を『避婚男』と名づけています。

著者が長年の仕事を通じて行ってきた聞き取り調査で実際に男性の口から語られた
言葉が、現在の男性の気持ちのありようを如実に表しています。

私は既婚者ですが、地元の友人などに聞いても同じ言葉が返ってきたことがあった
ことを思いだしていたのでした。そう!そう!とひざを打ちながら。

著者の議論に対して、おや?と疑問に思った箇所もありますし、その通りかも…と
いう気持ちになったポイントも含めて考えさせられるのは第5章(最後の章)でした。

ワーク・ライフ・バランスへの視点や取り組み方を、反論しようのない「正論プレッ
シャー」と呼んでしまっている点はおや?と思いました。一方で、専業主婦願望や
『ゲゲゲの女房』ブームを取り上げ、あおるメディアの姿勢を、マーケティングの
視点から指摘する部分はまだまだメディアの影響力は強いのだと再認識させられました。

どちらにしても、手に取りやすい新書という媒体で、この種のテーマを取り上げた
ことも、そして読みやすい文体で書いたという点でも、現代の男と女の関係性と立
ち位置を考える上で参考になると思います。とっつきやすい一方で、深いテーマな
のだなと改めて思いました。

喜婚と避婚というひびきやすい言葉で読み解かれた現代の男性像。それでも、この
本で取り上げているテーマは、一人の人間が歩んで行く人生そのものと関わる深い
問題です。

様々な社会的・経済的環境も大きく変わる中で、人生の節目節目における選択も時
に限られ、時に多様すぎて戸惑う男性も多いのではないかと思うときがあります。

著者が「おわりに」で書いているように、東日本大震災によって多くの人の人生観
が変わったかもしれません。それが、これまでの生き方・働き方・人間関係などを
捉えなおすきっかけにもなっている一方で、著者のいう「男の時代」というどちら
かの性だけに目が向くような時代の形容がなくなることも私たちセンターの役割な
のかもしれないと思ったのでした。

気になる方はまずこちらをサラリと読まれても良いと思います。


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