テーマ本の紹介
『男たちのワークライフバランス』

すくらむ21インターンシップ生

書籍の基本情報


『男たちのワークライフバランス』
ヒューマンルネッサンス研究所著
幻冬舎ルネッサンス、2008

書籍の内容紹介と論評

 近年、仕事をしながら妻と家事を分担し、子育ても夫婦で一緒に行うというライフスタイルを選ぶ若い男性が増えつつある。「仕事と子育ての両立」という、これまでは主に女性たちが悩んできたテーマが、今は男性の問題にもなってきている。しかし、「男は仕事、家庭のことは妻に任せておけばいい」という意識は未だに存在し、会社や上司の理解が得られないことで苦労している男性も多い。本書では、このような働きながら子育てにも積極的に参加することを選んだ男性の本音を取り上げている。
 子どもを保育園に送り届けることが日課である男性は、出勤までの限られた時間の中で、会社に遅刻しそうになりながらもその日課をこなしている。もっと仕事がしたいと思いながらも、残業を途中で切り上げ帰宅し、家事を手伝っている男性もいる。妻が働いている場合には、妻を気遣って家事や育児に積極的になる男性が多い。夫婦で協力して子育てを行っていくことで、夫婦の絆が深まる。また、父親から子どもへの、母親とは違ったアプローチが加わることで、子どもの心の成長によい影響を与える。
 男性が子育てに積極的に関わっていくことは良いことであるが、今の社会の状況では難しい場合もある。育児休暇をとる男性が少ないために自分から休暇を取りたいと言い出しにくい環境にあったり、残業を途中で切り上げることができない雰囲気があり、男性が子育てに関わる時間をとることが難しい。ワークライフバランスを実現していくためには、賃金やキャリアを保障する制度を整えると共に、心置きなく利用できるような職場の雰囲気を作っていくことが必要である。

 最近「イクメン」という、子育てに積極的に関わる男性を表す言葉を耳にすることが増えた。少し前までは、男は仕事、女は家庭という認識が強かったが、その認識は少しずつ変わってきていることが分かる。
 仕事と子育てを両立していくために欠かせないのが育児休暇であるが、男性が育児休暇をとるためには、大変な覚悟が必要であることがわかった。本書に出てきたある男性の「『育休とりたいんです』って、一週間、上司に言い出せなかった」という言葉が印象に残った。育児休暇をとるのは女性がほとんどであるため、男性にとって育児休暇は未知の領域なのである。キャリアが中断されるのではないか、年収が下がるのではないかという恐怖を感じる人も多い。しかし、子育てという貴重な経験を逃したくないという想いから育児休暇を取得した男性もいる。何ヶ月も休暇をとることが難しいのなら、一週間でも二週間でもよいので男性が育児に参加することで、妻の負担を減らすことができるし、男性自身の今後の子育てに対する意識が変わる。このような男性が社内に増えることによって、男性の育児休暇の取得率が上がっていくのではないかと思う。
 育児に参加したいと思う男性が増えているけれど、現実には、働く男性が育児に関わることのできる時間は限られている。それでも限られた時間の中で、子育てに参加しようと努力している男性は多い。このような男性がこれから増えていくことで、社会のワークライフバランスに対する認識も変わっていくのではないか。


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