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『絶望の国の幸福な若者たち』

『絶望の国の幸福な若者たち』

『絶望の国の幸福な若者たち』古市憲寿著 (講談社 1800円 2011年)

格差社会と言われるようになって、すでに久しい気がします。
その中で世代間格差や、雇用問題、年金制度など、
若者に強いられている負担は相当なものだとも思っていたのですが…
現在を生きる日本の若者は幸せ…らしい。

2010年の時点でなんと
20代の男子の65.9%、
女子の75.2%
が現在の生活に『満足』しているのだそうだ。

日本という国の未来を絶望的に語るのは簡単だ…と筆者は言います。
財政赤字、少子高齢化による社会保障費の増大、
1980年には7.5人の現役世代で1人の高齢者を支えていたのが、
2000年には4人で1人になり、2008年では3人に1人、
今のままで試算すると10年後には2人で1人を支える時代になる・・・
騎馬戦のようなものだとはよく言われています。

現在の高齢者は自分が払っていた何倍もの社会保障給付を受ける一方で
若者は損をする。いったいどれくらいでしょうか…?

「ある試算によれば、60歳以上世代は6500万円トクをするが、
20歳未満世代は約5200万の負担超となる。孫世代は祖父世代よりも
1億円損をしているというのだ。」(本文より抜粋)

将来に不安を感じていないわけではない。
それでも、やっぱり今は『幸せ』なんだそうである。
友人や自分の大切な人と楽しい時間を過ごせればそれでいいのだと。

筆者は、デモに参加する若者や、ボランティアに精を出す若者たち、
ワールドカップで渋谷で盛り上がる若者などを取材しながら、
一言では語れない、多様な〈若者〉をひも解いていきます。

本書を読みながら、息子のことを考えました。
あと10年もすればこの本の中の『若者』に分類されるようになる彼の幸せってなんだろう?
今、毎日が楽しくて仕方がないと学校に通う彼は、今幸せそうである。

私の幸せって…、家族の幸せって…、本書を通して、いろんなことを考えました。

最後は俳優の佐藤健さんへのインタビュー記事で締めくくられています。
これだけを読んでも、若者のことがちょっとわかるかもしれません。

注釈が多いので、はじめは読むのが面倒に感じるかも知れませんが、、
実はその注釈に作者のぼやきなど本音が入っていたりして、
ちゃんと読むと面白かったります。

その中に出てくる本をまた読んでみたくなったり、
「あ、これ知ってる!」といった楽しみも

ところどころに、へえ~と思えるエピソードなどもあり、
時間をかけても最後まで読みたくなる、楽しんで読める1冊でした。


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