テーマ本の紹介
『草食系男子の恋愛学』

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『草食系男子の恋愛学』(森岡正博著,メディアファクトリー,2008年)

この本を読むきっかけになったのは、多摩市民館から平成22年度平和・人権学習②
のテーマ「草食系男子の生きる時代」の初回に、「男女共同参画の現在と草食系男子」について
講師を依頼されたことでした。なかなか斬新なテーマだと感じました。
そこでまずは、「草食系男子」についての本をいくつか読んでみました。
その中の1冊が、本書『草食系男子の恋愛学』です。

当初私が期待していた、「草食系男子とは?」が述べられている本ではなく、
女性が「恋愛」を介して男性と関わるときの心理状況について分析・解説されており、
男性がどのように対応したらよいかの指南書(?)と感じました。

わたしの、本来の目的にはそぐわなかったと思い、目的達成のためには他の本を
参照することにしたのですが、この本のプロローグとエピローグで記されていた筆者の言葉は
非常に心に残りました。

若者が持つ、劣等感などとの戦いの中での鬱屈した思い、人との関係の中で傷つきながらも、
その中から生まれてくる人間としての成長などが記されていました。
それを著者は「暗い青春」といい、「先のまったく見えない、絶望のような時間、
それこそが青春なのだ」と訴えています。
その時間につちかわれた、一見無駄のようなことが、どんなにか貴重なのだと言う著者の言葉に、
心が震える思いがし、涙する思いで読み終えました。

長く生きてきた私も、是非是非、今を生きる若者にこの本を届けたいと思いました。
このような世相ゆえに「迷い、先が見えず苦しんでいる」現在(いま)は宝物であり、
未来に通じていると言うことを。


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