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『親の品格』

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『親の品格』(坂東眞理子著 2008年 PHP新書)

 著者の坂東さんは、2007年のベストセラーになった『女性の品格』の著者でもあり、
この本は、その続編ともいうべき位置づけとなっています。坂東さんは、東大を卒業後、
総理府の男女共同参画室長、女性初の総領事館を経て、内閣府初代男女共同参画局長を歴任されています。(私が紹介する本は、偶然ではありますが、上野千鶴子さんといい、東大がらみの方が多いです。)

 本書では、そのご経歴を活かし、国際的なジェンダー数値を元に具体的な分析がされております。が、数値の話ばかりではなく、子どもが赤ちゃんの時から、親が介護をされる立場になるまでの、とても長いスパンにわたる“親”について、具体的なアドバイスが述べられています。特に男女共同参画の視点においては、父親の育児に対する関わり方、妻と尊敬の念で接する事で生まれる夫婦間の信頼関係の構築、地域への活動参加、ボランティア活動の奨励などの例がとりあげられています。

 私も小学生の娘を持つ親として、気付かされたり、同感したり、反省したりと、とても興味深く読むことができました。子どもに愛情がない親などいないですし、その愛情表現が様々なだけで、目的は一緒です。坂東さんはこれからの社会における、子育ては「品格のある社会人になる」ことを目指すことだと唱えています。それは、昨今の社会情勢、つまり学校や企業が人間育成における時間やコストを割く余裕がない中では、より家庭における子どもとの接し方が重要であるからだと言っています。

 私自身、とても戒めになった例として、電車内での事柄がありました。どちらかと言うと、自分は立ってでも子どものために席を確保していたのですが、むしろ親は座って、子どもは立たせるべきとしているのです。それは、体力の養成にもなるし、幼いときから席取り競争の勝者をめざしていると、後に優先席でふんぞり返り、他人の迷惑も顧みない大人になりかねないからです。これは、電車内というせまい中でも、社会を学ばせる良い機会として、私自身も実践していこうと思います。

 新しい観点が記されている訳ではないのですが、祖父や祖母、両親から言われてきた
ことを思い出させてくれる気がしました。私の子育てはまだまだ続きますが、その教えを忘れずに子どもと接していきたいものです。


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