テーマ本の紹介
『防災ゲームで学ぶリスク・コミュニケーション-クロスロードへの招待-』

書籍基本情報


タイトル:「防災ゲームで学ぶリスク・コミュニケーション」クロスロードへの招待
矢守克也・吉川肇子・網代 剛 著
ナカニシヤ出版
2005年

書籍の内容紹介と論評

今、防災という言葉を良く耳にする、その背景は先の東日本大震災があると考えられる。地震の多い今こそ「防災」ということをもっとは知る必要があると私は考える。そこで防災を良く知ることが出来る方法が本書には収録されている。

まず本書の題名でもあるリスク・コミュニケーションという言葉の解説をしていこうと思う。リスク(災害や事故、企業の不祥事など)に対する対応である起きたリスクに対する危機管理がリスク・コミュニケーションである。

以上を踏まえることで本書の紹介する防災ゲームがわかってくる、この防災ゲームは、クロスロードという名前である。このゲームは「それぞれの災害対応の場面で、誰もが誠実に考え対応すること、またそのためには災害が起こる前から考えておくことが重要である」(本書より)ことに気づくことをねらいとしている。

そのクロスロードがどのようなゲームであるか、どのようにして災害対応を考えることが出来るのであろうか。
まずゲームのルールとしては、5人のグループになり、その5人が10枚のカードを順番にめくる。各カードには災害時を想定した、重大な意思決定をせまるような質問が書かれている。
例をあげると「あなたは避難所担当の職員である。災害当日の深夜。市庁舎前に救援物資を満載したトラックが続々到着。上司は職員総出で荷下ろしを指示。しかし、目下、あなたは避難所との電話連絡でてんてこ舞い。指示に従い荷下ろしをする? YESかNOか?」ということが書いてある。
そして他のメンバーがYES/NOのカードを提示する。その結果、YES/NO多い方を選んだ人は1ポイントを獲得。YESまたはNOが4対1だった場合はその一人だけが1ポイントを獲得することが出来る。一人の場合ポイントを獲得できる理由は、少数意見が尊重されることを意味している。そして質問カード提示を10枚やって最もポイントを獲得した人が勝利者となる、これがクロスロードの簡単な説明である。

本書はゲームをしながら災害における意思決定や危機管理を学ぶことが出来る。言うなれば災害に対する「考え方」である、自分の考え方を他人に伝え、そして相手からも考え方を聞くことで、自分とは異なる新しい意見や価値観の存在に気づくことが出来る。価値観の違う人とゲームをすることで防災問題に対して新たな考え方が生まれるのではないだろうか。
本書でゲームをしながら防災を学ぶことで防災への意欲を掻き立てられると私は考える。


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