H21年度 かわさきの職業人インタビュー

今よりも美しい川崎へ

かわさきかえるプロジェクト
代表 伊中 悦子氏

活動の内容について教えてくださいますか?

「人と自然が共生するエコシティ川崎をつくる」を趣旨として、2005年に「かわさきかえるプロジェクト」を設立しました。活動内容としては川崎市内を対象として料理に使用した廃食油、または未使用油を回収し、その油を使用したリサイクル石けん「きなりっこ」を作っています。

活動を始められたきっかけは何でしょうか?

昔、溝口は用水路や川がたくさんあり水がきれいだったので「水の都」と呼ばれていました。しかし30年前、多摩川等の河川は生活雑排水と合成洗剤による汚染が問題となりました。そこで、合成洗剤を使わない、廃食油を流さない、燃やさないで石けんに変えて利用するために、現在の活動を開始しました。

なぜ「かえる」なんですか。

炭鉱があった時代は異常を調査するためにカナリアを使用していました。同じように「かえる」も環境のカナリアと呼ばれ、その土地の環境を知る目安になります。カエルは人々にとって身近な生き物ですが、最近では見かけなくなりました。そこで環境を意識してもらうために「変える(change)、帰る(return, reuse)」をコンセプトに「かえる」を使用しました。

石けんマイスターとはなんですか。

石けんマイスターとはリサイクル粉石けん「きなりっこ」の使い方を学び、各所で「石けん学習会」の講師をしている人たちのことです。石油化学系の合成洗剤と違って、植物油の純性石けんは泡立てて洗うために少しコツが要ります。そのため2日間の講習会(石けんセミナー講師養成講座)に参加し、石けんの作り方から生美、NPO川崎市民石けんプラントの工場見学も経験して、石けんマイスターになれます。現在石けんマイスターは15人で、主に女性を中心に活動しています。

活動を通じて、辛いことや大変なことは何かありますか。

使用済み油は一定量を超えると危険物扱いになってしまい、川崎市では廃棄物処理条例により勝手に処理することは禁止されています。この条例もあり廃食油回収は、事業活動として認められず、現段階ではモデル実験として活動しています。
相模原市では環境に対する政策として予算も組まれています。この活動は環境に優しいと他市では認められているのに、川崎市では認められていないところに大変さを感じます。

活動の魅力や面白さを教えてください。

油の処理は大変だと感じている家庭はたくさんあり、その方々に回収してくれてよかったと言っていただいた時が一番嬉しいです。また未使用の油は純度が高く液体石鹸になるので、今まで家庭で処理に困っていた消費期限の切れた未使用油を回収する機会を作り、その結果、家庭での油の処理の面で喜ばれます。
かわさきかえるプロジェクトによって、川崎市のまちづくりに携わり、川崎市の変わっていく姿を間近に見られることが魅力です。

リサイクル石けん「きなりっこ」の由来はなんですか。

リサイクル石鹸「きなりっこ」という名前の由来は、「生成り(=ありのまま)」という意味の言葉からきています。普通の合成洗剤では漂白剤を使用していますが、「きなりっこ」は化学薬品を使わないので、肌の弱い方にも使っていただけます。さらに植物油から作られているので、油汚れに強くスポーツウェアや靴の汚れ落としに最適です。

日本人のエコ意識は高いと思いますか。

私は一般的に日本人のエコ意識は高いと思います。しかし、環境対策をどうしていけば良いのか分からない方が多いように見受けられますので、私たちとしては皆さんが出来る環境対策を提案していきたいです。また日本はソーラーの技術では進歩していましたが、ドイツに抜かれてしまいました。日本は技術的には優れていますが、世界にアピールする能力が乏しいと思います。

若者に対して伝えたいことは、ありますか。

まず「元気」でいてください!!
夢や目標を大切にし、やりがいのある仕事を楽しくやって欲しいです。若者はどんな場合にも対処出来る環境適応能力を持つことが大切です。
また、日々の暮らしは政治問題と密着しているので、皆さんも少しでも政治について関心をもってください。

取材日: 2009.08.28
取材者: 久志本大輔、三澤沙也加、芝原舞

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