H21年度 かわさきの職業人インタビュー

人とのつながりを感じ地域に根ざした農業を

川崎市久末 農業者・町会会長:森 幸男氏

森さんのお仕事について教えて下さい。

現在川崎市久末にて農業を行っており、町会会長もしています。作った農産物は北部市場に卸しているほか、直売所でも積極的に販売しています。農業を始めたのは親から譲り受けたのがきっかけでした。

森さんはどういった野菜を作っていますか


畑には約50種類の野菜があり年間約60種類の野菜を生産し主に、キャベツ、ブロッコリー、トマトなどを栽培しています。過去は、はくさい、ブロッコリーなどの大型野菜が主流の栽培でしたが、現在は直売所ができたため多品種他多品目になってきています。みなさんにあまり知られてはいませんが南アフリカ原産のアイスプラントという珍しい野菜があります。今ではカリフラワーでもオレンジ、むらさき、グリーンといった色の珍しい野菜も市場に出回っています。

農業を通しての苦労はなんですか。

新しい品種を積極的に作っていますが新種を作る時は必ず出荷できる保証がないということが苦労することの一つです。最近の農業をする上での問題点は地球温暖化の影響もあり収穫の時期がずれるという問題が起こってきていることです。それに関連して南の地方から野菜の敵である虫が増えてきているので環境対策にも苦労しています。
また地球温暖化の影響で本来であればその時期に取れる野菜が数ヶ月前後するといった影響もあり、温暖化対策にも苦労しています。昔は、さつま芋や麦などと野菜を輪作していたのですが、多品種多品目のために野菜を同じ農地で年間収穫回数を増やしているため、生育不良や単位面積当たりの収穫減などの連作障害が起きているのが心配だ。

農業のやりがい、魅力を教えて下さい。

農業をしていて近隣住民には迷惑をかけてしまうこともあるので近隣住民の方には理解、協力してもらっています。そのためには地域住民との情報交換をすることにより地域の親睦を深めることが魅力でもあります。また実際農業をやってみると農業というのは自然が相手なので気候に左右されることもあり、困難なこともありますが、ものを育てるということが楽しみであり、魅力です。

森さんの農業に対するこだわりのポイントは何ですか。

消費者の要望に答えて新種をつくることもあります。しかし新種を作るというのは失敗するリスクもあるので勇気が必要です。またコストもかかり大変な面もあります。

森さんは自身で作った野菜についてどう思いますか。

毎日自分の作った野菜を食べており、時には採れたばかりの新鮮な野菜を食べることもありますが、それが日常的になっているのでおいしいという実感が薄れている面もありますが、枝豆やトウモロコシは、採れたては確かに美味しいという実感はあります。川崎大師、東京など遠くからたくさんの人が「おいしい」と買いに来てくれたり、野菜嫌いの子どもが「ここの野菜は食べられる」と言ってくれるので、その言葉が励みになっています。

家庭菜園をしている人へ。

健康などを理由として無農薬野菜を作っているのは決して悪いことではありませんが、その時に農薬を使わないことで、家庭菜園から虫が増えてしまうこともあるので、家庭菜園をする際には最低限農業で必要となる知識を勉強してからやってほしいと思います。特にトマト黄化葉巻病などの小さな虫が媒介する病気が蔓延し、家庭菜園の方々が対応処置を知らなかったりしたために、農業者のトマトにも被害がった例があった。

若者に伝えたいことはなんですか。

自分の仕事を一生懸命に諦めずに取り組んでほしい。また自分の仕事に誇りを持ってやってほしいです。そのために自分が努力することも重要です。久末の農業者は自分たちで考え自分たちで行動している人が多いのでみなさんも自分で考え行動ができるようになってほしいです。

取材日: 2009年8月26日(水)
取材者: 久志本大輔 三澤沙也加 芝原舞

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