テーマ本の紹介
『デートDV 愛か暴力か、見抜く力があなたを救う』

すくらむ21短期インターンシップ生

書籍基本情報


タイトル:「デートDV 愛か暴力か、見抜く力があなたを救う」
遠藤智子著 NPO法人全国女性シェルターネット協力
2007年11月22日 KKベストセラーズ発行

書籍の内容と論評

配偶者に対する暴力をドメスティック・バイオレンス(DV)と呼ぶのに対し、恋人に対する暴力は「デートDV」と呼ばれ、現在深刻な社会問題となっています。DV、デートDVともに、男性が肉体的優位を利用して女性に対して暴力をふるうもので、様々な形で女性を苦しめます。この本では、そうしたデートDVの実態やこれに対する女性の考え方、デートDVから身を守るためにできることや身に着けるべき知識、自分や友人がデートDVにあってしまった場合の対処法についてわかりやすく書かれています。

この本を手に取って目次を見ると最初に目を引くのが、デートDVの詳しい事例が書かれている第2章です。どの事例でも共通しているのが、加害者は交際相手の女性を自分の支配下に置きたがることです。一日に何十件も特に用事があるわけでもないのにメールを出し、そのたびに返信しないと怒る、被害者の交友関係を制限し、自分が気に入った人としか付き合わせないといったように、交際相手に対し異常なまでに執着していることが見て取れます。また、性行為を強制し避妊に責任を持たない、携帯電話など大切なものを壊す、果ては身体的暴力に発展し、夜中から朝の5時まで車の中で殴り続けられた事例さえもあります。その上、加害者は被害者が耐えかねて「別れてほしい」と切り出すと「自殺する」と脅すこともあります。こうした数々の事例を見ていると、男性の立場から見ても強い憤りを感じるとともに、ここまでひどい暴力に耐えている女性を思い、やりきれない思いでいっぱいになりました。

DV加害者は、こうした暴力を「愛しているからするのだ」と正当化し、被害者にも自分を絶対的に愛し、服従することを要求します。一般的に、女性の方が男性よりも「自分が悪いのではないか」と思う(思わされる)傾向が強く、DV加害者はこうしたことも利用し、巧みに被害者を自分のそばから離れられないようにしているのだそうです。

これから交際を始めようとする方、あるいは交際中の方に最も読んでいただきたいのが、第4章の「デートDV予備軍を見抜く」の項目です。ここには、DV加害者になる危険のある男性を見抜くために男性にするいくつかの質問や、注意すべき男性の行動、さらに友人がDVに遭っていることを示す兆候が記されています。これを見ていると、「自分は愛する人に暴力など絶対に振るわない」と思っていた自分も、「これは少し危ないのでは?」と思える項目があり、DVは決して別世界で起こっている、他人事ではないことを改めて痛感させられます。DVに遭ってしまった場合に相談できる場所もいくつか紹介されていますので、もしこの本を見かけましたらぜひ手に取ることをおすすめします。


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