テーマ本の紹介
『女ぎらい ~ニッポンのミソジニー~』

201011201433000(女ぎらいのミソジニー).jpg

ミソジニー(misogyny)の意味をご存知ですか?
英和辞典などによると、
「女性や女性らしさに対する蔑視や偏見、憎しみを指す語である」
とあります。

上野さんは、このミソジニーに対する意味合いを、この本で
「ジェンダー」、「皇室」、「婚活」、「女子高」、「父と母」から、
「DV」、「性虐待」、「売春」、「秋葉原事件」など、
幅広い分野にわたって様々な角度から分析、解説されています。

その文体はストレート、かつ明快で深く考察されています。
実際に上野さん自身も、仕事柄この難解なテーマの謎を解き明かすべく、
読者を敢えて不愉快にさせるかの様に書いており、共感や反感を含め、波紋を呼んでほしい
とあります。その理由は、どんなに困難でも、その現実を変えられる
可能性があるからだそうです。

「東電OLのミソジニー」の章は、1997年に渋谷で起きた、
絞殺事件の事を取り上げており、あまり詳細にこのニュースを知らなかった
私にとって、特に興味深いものでした。

それは、誰もがうらやむエリートの裏と表を垣間見る事件であり、
特に多くの女性から反響があったといいます。
主人公が幼少期の親子関係から、この事件に至るまでの経緯を、
他文献もふまえて多角的に分析されています。

「男」と「女」の、あまり触れたくない部分に敢えて切り込んだ
上野さんの思い切りの良さを感じましたし、改めて、「男にとっての女」と、
「女にとっての男」について、深く考えさせられました。
数多くのジェンダーの本を書かれている上野さんですが、新刊ということで、
昨今の身近なテーマを取り上げながら、新たな読者を生む可能性もある意味で、
この本の特徴があるとも言えます。
そういう意味ではこの本が話題になればなるほど、
「男女共同参画」の社会への浸透が、
より加速するのではないかと思いました。


Comments are closed.