テーマ本の紹介
『新・女性学への招待 変わる/変わらない女の一生』

すくらむ21インターンシップ生

書籍基本情報

『新・女性学への招待 変わる/変わらない女の一生』
井上輝子著
有斐閣 2011年

書籍の内容紹介と論評

 20世紀後半以来の急激な社会変動の中、女性の社会進出が叫ばれ、女性は多様で柔軟な生き方を選択できるようになりました。しかしながら、まだまだ性別に縛られた生き方を強いられている女性がいます。男女ともに生きやすい社会を目指すためには、まず両性がお互いの抱える問題を理解し合う必要があるのです。

 本書は7つの章から構成されていて、「学校生活」、「職場」、「恋愛」や「結婚」「出産・育児」「老後」など女性のライフステージに沿った流れになっているため、読者は自分の人生を振り返りながら読み進めることができます。

 私自身も、小さい頃、スカートのような女の子らしい恰好ばかり親にさせられていた経験や、小学校時代の担任の先生が男子に厳しく、女子に優しかった(かくれたカリキュラム)記憶など自分自身の人生を振り返って考えることができました。また、将来結婚することが当たり前だと思っていたけれど、必ずしも結婚が幸せにつながらないと考え、35歳の『中年の危機』(*)の頃、自分は幸せだろうかなどと自問し、今後の人生について本書に書かれていることを自分自身に置き換えて深く考えさせられます。
 私の人生の主役は「私自身」です。その人生を自分らしく幸せに生きるためにはライフステージの段階ごとに自分で人生を選択し切り開いていかなければなりません。この本を読んで、今自分が生きている社会の問題や現状を踏まえ、「自分とは何か」、「何がしたいのか」、「何が好きで何が嫌いなのか」自問自答しながら、私らしい一生を送る努力を怠ってはいけないと強く感じました。

 身近な事例を用いていて女性学に初めて触れる方でも読みやすくわかりやすい内容です。女性の抱える問題の裏側にある男性の問題を読み解くことで、両性の問題が深く関係していることがわかります。女性だけでなく男性にも是非、読んでもらいたい1冊です。

(*…1970年代のアメリカの女性たちを調査したゲイル・シーヒィは、「人は誰しも人生の半ばに達した頃、その時期を自分の人生の分岐点であると感じる傾向にあり、後半生に向けて人生を再設計する」と述べている。当時のアメリカ女性にとって35歳は①末子の小学校入学、②浮気の危険年齢の開始、③既婚女性が職場復帰する時期、④再婚率が高まる年齢、⑤妻の蒸発率が高い時期、⑥生物学的な限界が見えてくる時期、であったことから、人生の転機ととらえやすい年齢であった。(本書p219‐p220))


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