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『論争 若者論』

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『論争 若者論』(文春新書編集部編 文芸春秋 2008年)
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166606658

ここ2~3年ほど、この時期には毎日のようにニュースで若者の就職難が報道されます。

先行きの見えない将来への不安。就職試験をうけてもうけてもおとされることに
人格を否定されたような気持ちになっている若者も多くみられるようです。

“この世の中が悪い”のか、“今時の若者は・・・”なのか。
本書には、色々な切り口からの若者をめぐる論議が収録されています。

中でも特に関心があったのが、
山田昌弘氏(中央大学教授)、三浦展氏(マーケティングアナリスト)、門倉貴史氏(エコノミスト)
という方々が論じている、「『意欲』をもてる社会をどう作るか」というところです。

今の世の中、非正規雇用で働いている若者が多く、彼らの多くは、
「単なる機械としてしか自分をみられていないという感覚」があり、
「苦痛を提供して、その見返りにお金をもらっている」(本書より)
と書かれていました。

・非正規雇用の場合、いつやめさせられてしまうかわからない。
・賃金も安い。
・その上に、やっている仕事にプライドがもてない。

まるで、三重苦のような生活を送っている若者が増えていると書かれています。

不安定な雇用や賃金はもちろん、やっている仕事にプライドを持てないのは
何よりつらいのではないでしょうか?

たとえ、どんな仕事でも、会社がわかる形で評価する。
あなたの仕事ぶりを、「私たちはみて、感謝してますよ」という気持ちを表す。
山田氏は、アメリカでは、非正規雇用のひとでもスーパーバイザーがちゃんとみていて、
「あなたの接客はとてもいいですね」と言ってほめている、そういわれると
時給が50セントあがっただけでも働いた人は喜ぶというのです。

非正規雇用が増えているという状況を考えるのはもちろん、
まずは誰もが働く意欲をもてる社会を築いてはいけないものでしょうか。


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