H21年度 かわさきの職業人インタビュー

人は一人だけでは生きていけない 自立支援の橋渡し

たかつ生活支援センター まんまる
NPO法人 ピアたちばな:田中 一昭氏

現在の活動内容は、どのようなものですか。

平成11年に、精神科病院の長期入院者の退院先として、グループホームを始めました。少しずつ増え、私たちの法人では5箇所、30人余の方が暮らしています。
そして、障害者自立支援法(平成18年施行)成立の動きの中で、NPO法人ピアたちばなを平成17年に立ち上げました。
平成19年10月、たかつ生活支援センターまんまるができ、相談支援とフリースペースがあります。川崎市内7区に一つずつ生新聞屋の生活支援センターが置かれたのをきっかけに高津区ではまんまるが開かれたわけです。各区で少しずつ運用が違いますが、まんまるは午前10時から午後8時まで(日・祝日は午後5時まで)で、お休みは水曜日、それと金曜日の午前中になります。希望者には夕食サービスもあり、月・火・木は一食550円でお弁当を、金・土は一食400円のまんまるのみんなで食べられるメニューを提供しています。登録されている利用者の方の電話相談は23時まで受け付けられます。

グループホームとは、どういった内容のものですか。

比較的養護学校3年生の時に日本理化学工業に実習に来て、卒業した後入社するということが多いです。そのため大体18歳~60歳の方々が多く、60歳で定年の後、働きたい方々は65歳まで働けます。

活動を始めたきっかけを教えてください。

病院で働いている時、長期入院して退院した人が帰る場所がないという現実を知り、何か支援できないかと感じていました。病院職員の仕事の枠を超えていましたし、地域の人の理解、支援も必要と考え、任意団体を市民とスタートしました。

NPO法人としてこの事業を始めたきっかけを教えてください。

任意団体のままこの活動ができればよかったのですが、資金面や制度面で法人でなければ続けられないとアドバイスされ、NPO法人として活動することにしました。

どのような経営方法で運営しているのですか。

会費は年会費2000円。寄付金・助成金もありますが主な資金は事業給付金、川崎市の委託金です。広報はHPで取り組み内容を掲載していますが、主には口コミではないでしょうか。グループホームへの入居を希望する人は年々増加し、生活支援センターを利用する方も多くなっているようですが、スタッフの人手不足が問題になってきています。

利用者は、地域の人がほとんどですか。

10年前に活動を始めた時は、私たちが接する人たちは長期入院者の退院先がない人が主でした。今は、生活支援センターもスタートし、いろいろな暮らしをしている方と出会うようになりました。まんまるは駅から近いので買い物ついでに立ち寄る方も多く、又保健福祉センターなどの紹介を受けた利用者が多いです。相談内容は、仕事、人間関係、家族、病気と、暮らし全般にかかわってきます。皆さん切実な課題を抱えてらっしゃいますが、支援としては寄り添う、受身が精一杯だと思います。

学生時代、どのような学生でしたか。

学生運動を行っていました。もっとよい社会にと世の中に訴えたのにもかかわらず、何も変わらなかった・・・。この罪滅ぼしの意識がこの活動を始めたきっかけになった点もあると思います。

若者に伝えたいメッセージをどうぞ。

以前は、仕事はあくまでも媒介(仲立ち、橋渡し)であり、職場にも横の繋がり、包容力がありました。地域にはコミュニティもありましたが、現在ではこのような人の「繋がり」が失われつつあります。そのような中で、自分と周りをどのように作っていけるのかが課題になるのではないでしょうか。

取材日:2009.8.27
取材者:安倍大貴 虫本真美 山口由梨乃

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