H23年度 かわさきの職業人インタビュー

お互いを学び合うことの大切さ

食の安全安心・安全行動提起・実行グループUzumaki
代表 山本善保さん

Uzumakiを設立したきっかけを教えてください。

地域へ貢献する活動をしたいという思いから川崎市男女共同参画センターのすくらむ塾「地域リーダー養成講座」に参加をしたことがきっかけです。当時、捨てなければならないお米でお菓子を製造したり、醸造に使用したりといった食品の不正表示の事件が多く発生していました。食品の不正表示の問題は体に入るものに関係することから罪深いと思い、地域と食をテーマに掲げた市民活動団体「Uzumaki」を設立しました。

Uzumakiという名前の由来を教えてください。

市民活動は、人と人とのつながりを大切にしないと上手くいきません。市民、行政といったセクターと協力し、巻き込んでいくことが大事です。これを、ダイナミックな渦巻きに例えこの名前を付けました。
また、Uzumakiの正式名称は、「食の安全安心・安全行動提起・実行グループUzumaki」です。「食の安全・安心」は目指すべき目的ですが、この目的を達成するためには、行動を起こしていこうと提起し、実行に移していくことの大切さを示すため、このような名前を付けました。

企業や政治など、様々なセクターがある中で、市民活動団体を選んだ理由は何ですか?

市民活動は上下関係がありません。これが大きな魅力です。参画するメンバーがみんな平等なのです。この平等さゆえに自らの人間力が試されます。団体の活動内容や考え方が気に入らなかった場合は、やめることもできるのです。
今、Uzumakiには、48名のメンバーがいます。メンバー達は、色々な活動に参加する中で「この代表面白い!」と集まってきてくれました。

NPOとしての活動内容を教えてください

食を中心とした暮らし方、食と自然に根ざした人間らしい生活、コミュニティのある暮らしをコンセプトに以下のような活動を行っています。

・家庭生ごみで堆肥つくり
・野菜つくり教室
・先進的な農業生産者視察
・食育&健康エコ料理の推進

多摩川流域を中心とした野菜ブランドの確立を目指しているとのことですが、多摩川野菜のうり!を教えて下さい。

多摩川の周辺は肥沃な土地が多いのです。そのため、葉物や果物が美味しいです。梨やぶどう、いちご、ほうれん草、小松菜など種類も豊富です。多摩区管地区ののらぼう菜は800年前から栽培されて今人気が出てきています。

農業は、広大な土地で行うというイメージが強いですが、広い土地の少ない都市で行う農業と地方で行う農業との違いはありますか?

地方農業では、米なら米、ほうれん草ならほうれん草とずっと同じ作物を作ります。これに対し、都市農業では年間50種ほど旬の野菜を作ります。また、地方と都市では、売り方に大きな違いがあります。地方では、育てた作物を市場に出し収入を得ますが、都市では市民への直売という方法が主流です。

川崎地域で農業者はどれくらいいるのでしょうか?

男女合わせて80人くらいです。そのうち半分は、父親が外で働き、母親が農業をするという兼業農家です。女性の方が辛抱強いため農業には向いているのかもしれません。

また、男性へ家事を教える「家事塾」を開催していらっしゃいますが、男性はどのようなきっかけで「家事塾」に参加されるのでしょうか?

母親が父親を家事塾に送り込むことが多いようです。男性が家事塾に参加することによって、ご飯の炊き方など今まで知らなかったことができるようになります。そうして、家事塾がきっかけで家事をするようになったお父さんも多いです。

男性の家事参加を促す工夫はありますか?

「お父さんの得意な家事はなに?」って聞いてみましょう。そして、その家事をまかせてやってもらいましょう。男性も家庭の中で役割を持つことが大事です。

市民活動団体の活動と男女共同参画について教えて下さい。

男女共同参画とは男女がお互いについて学びあうということだと思っています。農業者に関しても、男女がお互いの価値を認め理解しようと努めることで、実りある農業ができるのではないかと考えています。

市民活動団体を運営していく中でのやりがいはありますか。

みんながイベントに参加して楽しいな、良かったなと言ってもらえることが嬉しいです。

市民活動団体で活動する1人として行政に望むことはありますか?

行政は、法律ベースで事業を行います。
しかし、法律はできた当時のことしか反映されておらず、現実に合わないものも多くあります。現実を知り、その現実にあうように調整し運用することこそ行政がすべきことだと思います。

これから社会に出る若者へ何か伝えたいことはありますか?

自分のことを「好き」って言ってあげられる。自分から「自分のことが好きだ」と言ってあげましょう。自分自身を自分が認めて自信を持って社会に出て行くことが大切です。

取材者:春日裕美、藤原隆寛、原井勇輔
取材日:2011年8月23日

Comments are closed.