H25年度 かわさきの職業人インタビュー(瀬戸さん)

自分たちの手でつくる未来

作家、ジャーナリスト、tranSMS
瀬戸義章さん


瀬戸さんは、tranSMS(トランスムス)という団体で、東ティモールで物流を円滑にするための活動を行っている。
もともと小説が好きで、作家になりたいという夢を叶えるために、勤務していた物流会社を辞め独立した。作家になるための修行として「人とちがう経験を積みたい」と考え、日本人にあまり知られていない東ティモールに赴いた。そこで生活が困難になっている市民の姿を目の当たりにした。前職を通じて得た、物流が大事だとの認識や、そこで培った経験を活かしてtranSMSを立ち上げた。tranSMSは東ティモールで物を安く運べるようにするアプリを開発している。そのアプリは、物を運んで欲しい人々が、トラックを運送する業者にメッセージを送ることで、配達が終わった後の空トラックが住人の家に寄って、運んで欲しい物を運送するシステムである。これによって、物を運んでほしい人は安価で配送してもらうことができ、配送業の人は客を増やすことができる。
現在瀬戸さんは「自分の好きなことが仕事となる」をモットーとして働いている。
 

ハードルを下げて、肩の力を抜いて、部活感覚で

瀬戸さんは夢を叶えるために、勤務していた物流会社を辞め独立した。小説家として成功するためにも、また企業で評価してもらうためにも、他人とは違う「経験」を積むことで「差別化」を図った。その一環で赴いた東ティモールで、生活が困難になっている市民の姿を目の当たりにした。東ティモールには、運送にお金がかり届けたい場所が遠いほどものを運べないという現状があった。
瀬戸さんが物流に注目した理由には以前の職が関係している。東日本大震災で届くはずのものが被災地へ届かなかったことを体験した瀬戸さんは、物があるべきところに運ばれることの大切さを実感し、その経験を東ティモールでの活動に活かしたいと考えた。
活動をするにあたり瀬戸さんは、東ティモールに住むというより、日本に居てできることをやりたいと考えている。「ハードルを下げつつ、肩の力を抜いて、部活感覚で楽しみながらも東ティモールに関わっていく」と話す瀬戸さんは、日本にいても東ティモールの支援活動に関われるスタイルを確立した。

可能性をつくる、広げる

 「好きなことを仕事にしている」と話す瀬戸さんは、様々な経験をすることで可能性を広げることができると考えている。たとえば古くなった机を捨てる人もいれば、その机を使って新しいインテリアに再利用する人もいる。このように、一見必要ないと思えるものでも可能性を秘めていることを知ってほしいと瀬戸さんは考えている。その可能性を見つけ、切り開くことで、瀬戸さんの言う「未来とは自分たちの手で作る」ことが出来る。
例えば瀬戸さんが取り組んでいる「世界ファブラボ会議」では、3Dを使ったデジタルツールを取り扱っている。これを使えば誰でも簡単にモノづくりをすることができる。データを共有すれば、皆が抱えているさまざまな問題をスムーズに解決することができる可能性がある。その機会を設けたいと瀬戸さんは考えている。
このように、誰もが可能性を持っていることを知ってほしいという思いを瀬戸さんは活動の上で常に抱き伝えることを行っている。

編集後記

瀬戸さんは自分の好きなことを仕事として働き、お金を得ることを目的にするだけでなく、自ら現地へ向かい経験することを重視していた。何にでも挑戦していく行動力が素晴らしく、感銘をうけた。

(インタビュー:石井彩夏、澤田知香、藤本紗貴、藤田紘熙、三井崇弘)

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