H25年度 かわさきの職業人インタビュー(井上さん)

自分では気づけないストロングポイント

㈲フラップ、NPO法人FUNS ATHLETHE CLUB
井上秀憲さん

井上さんは、好きなことを仕事にしたいという思いから、有限会社フラップとNPO法人ファンズアスリートクラブで、人々の運動機会の創出といったスポーツに関わる活動をしている。また、日本水泳連盟の広報アドバイザーも務め、さらに宮前重金属発掘計画(重金属=ヘヴィメタル)では、ヘヴィメタルという好きな音楽のジャンルで、薬物撲滅といった社会貢献活動を行っている。

好きなことを仕事にしたかった

井上さんは幼少期、本屋を営業していた母の姿を目にし、その忙しさから仕事をすることが大変なことだと考えていた。そこで、仕事が大変なことならば、何でもいいではなく好きなことをしようと思い、彼が好きなスポーツと音楽の仕事をするようになった。
スポーツの仕事内容としては、フラップを従業員数名で自ら立ち上げ、現役・元日本代表の選手の経験・ノウハウを用いた事業を行っていた。その後、父の病気をきっかけに、今までの仕事で学んだアスリートたちの経験を、一般の人たちに還元できないかと考え、NPOの設立に至った。現在、NPOを通じて障害者向けのダンス教室を開講するなど、多様な人々に運動の機会を創り出している。
他方で、音楽が趣味だった井上さんは、北欧のバンドの影響を受け、ヘヴィメタルでまちづくりをすることができないかと考えた。ドラッグの撲滅ソングを作り、その成果からプロジェクトチームを結成し、宮前区より委嘱事業に認定された。その後、川崎市のイメージアップ認定事業となり今も続いている。

意味のない失敗はない

井上さんは今まで自分がやってきたことが成功したとは思っておらず、常に失敗の繰り返しだと考えていた。成功した時より失敗した時の方が自らを分析しやすくなり、その理由を常に考えることをやりがいにつなげている。失敗することは次のステップへの糧となり、失敗が今の自分を大きくしたと自覚されている。失敗しても何かにトライする姿勢が大切で、何をすれば一番自らを高めることができるかを考えることが必要なのである。

ストロングポイントを見つけ出す

インタビューの後に井上さんの提案で、取材メンバー同士で長所を見つけ出すミニゲームを行った。その内容とは、短い制限時間の中で自分の隣に座っているメンバーの長所を書き出すというものだった。書き出した内容をお互いで共有していく中で、「最初に思い浮かんだものは表面的なもので、その人自身でも気づいていること。後に書いたものが気づけていない点なのではないか」と井上さんから指摘を受けた。メンバーの中で情報共有を通じて様々な反応があったが、共通して言えるのは実際にゲームを体験して自分の長所を考え直すきっかけになったことだ。
ここでいう長所のことを、井上さん自身はインタビューの中で「ストロングポイント」と表現した。彼が人と交流する中で大事にしているのは、色々なタイプの人と付き合うことでその人のストロングポイントに気づくかどうかである。人は皆長所を持っているが、その人自身が自らの長所に気づかない場合も多い。相手が気づかないポイントを自分で見つけ、自分では気づかないポイントを相手に見つけてもらい、お互いで共有することで初めて理解できることもある。自分らしさを見失わないこと、自分が自分らしくあろうとすること、それに対して自分がどう必要なのかを考えることが大切である。

編集後記

様々な失敗を繰り返すことで今の自分を作り出せる考えが印象に残った。失敗を失敗としないで、常に次のステップへの糧としている井上さんのストロングポイントは、見習う必要があると感じた。これから多くの人々と付き合う機会があると思うが、その中で自分でも気づかない良さを、自分も他人も見つけ合いたい。


(インタビュー:荒砥和典、岡本和哉、田中萌恵子、田中雄大、三井崇弘)

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