H25年度 かわさきの職業人インタビュー(大道さん)

好きなことに素直がいちばん

KAWASAKIしんゆり映画祭事務局、(特非)KAWASAKIアーツ
大道優子さん


 大道さんは、川崎市の「芸術のまち構想」の一環として毎年秋に行われているKAWASAKIしんゆり映画祭の事務局で、事務全般の仕事をしている。映画祭の運営主体は市民を中心としたボランティアスタッフであり、大道さんはそのサポートをしている。

映画の近くにいるのが幸福!

 以前から映画を見るのが好きだったという大道さん。最初は、映画業界への憧れはあったものの手に職をつけようと思い、看護学校に入学した。しかし、映画への思いが捨てられず、中退し映画の専門学校に入学、映画制作を勉強した。卒業後、卒業制作の過程で縁があった舞台制作関連の制作会社に入社するが、営業職の担当になり、退社。その後、WEBムービーの制作や有志の舞台の台本を書くなど、表現する立場にいた。日本映画学校卒業後、自主制作映画を作り、動画制作、台本制作の経験を通して、自分で作品を作ることについては、やりきったと思えた。
一方で、“映画”そのものからは遠ざかっていると感じたという。映画に関わりたいと思っていたのに、仕事でもプライベートでも映画に関わることがなくなっていた。映画の近くにいたいという気持ちがふくらんでいたちょうどその時に、母校である日本映画学校の同窓会で今の職場を紹介され、「作る側」ではなく「見せる側」として映画に関わる仕事についた。
そこでのボランティアスタッフの人たちの姿勢にカルチャーショックを受けた。大道さん曰く「バカみたいに映画が好きな人」ばかりだったのだ。その熱意に心を打たれた大道さんは、ボランティアスタッフとともに「映画のすばらしさ・楽しさ・感動を伝えたい」と思い、そのサポートをしている。具体的には、運営委員から出された希望の映画を上映するための手配などである。
事務局での仕事は、最も忙しいときには終電で帰宅することもある。それでもこの仕事を続けられるのは、映画の近くにいないと幸福を感じられないからだという。

遠回りしたからこそ自分が本当に好きなことがわかった

 なぜ大道さんは映画に接していると幸福を感じられるのか。それは、自分の本当に好きなことが映画だと、今までの経験を通して確信したからだ。
 高校卒業後、看護学校に入学したが、映画への思いが捨てきれなかった。生命に関わる仕事を学ぶのに、中途半端な気持ちで通っていても、身につくはずがないと、学校を辞めること決断。周りは反対したが、友人の一人が「やりたいことがあればやればいい」と言ってくれたことに後押しされ、中退した。その後、映画館でのアルバイトをしている時に映画制作のサークルに誘われ、本格的に映画の世界に入っていった。
 このような実体験から、自分のやりたいこと、つまり好奇心や興味に対して素直であるのが大事だと大道さんは考えている。特に若いうちは失敗をしても助けてもらえることが多いので、失敗をおそれずに、自分がその時に何を最もやりたいのかに忠実に生きたほうが良いし、人生が豊かになる。壁にぶつかることを恐れない心が大事だと大道さんは話していた。

編集後記

 大道さんは、「やりたいことに素直になれ、人生は後からついてくる」ということを私たちに教えてくれた。やりたいことを仕事にしている大道さんの姿は素晴らしいと思う。私たちも、失敗や遠回りをしながらでも、自分が本当に「やりたいこと」を見つけていきたいと思う。


(インタビュー:荒砥和典、石井彩夏、小松史典、鈴木春香、藤田紘熙、三浦由子、宮本信世)

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