H26年度 かわさきの職業人インタビュー(星野さん)

失敗を恐れずチャレンジし続ける

株式会社スタックス 代表取締役社長
星野 妃世子さん

星野さんは現在、医療機器、新幹線、宇宙ロケット関連に使われる高精度な部品の精密板金加工と溶接加工を数多く手がける、株式会社スタックスの代表取締役社長を務めている。川崎市(本社)、千葉県勝浦市、新潟県十日町市の3か所に拠点を置く。従業員数は全体で50名ほど。男女比は9:1程度である。星野さんは結婚を機に専業主婦となった。だが、パートナーが亡くなられたことから父が社長を務める株式会社スタックスに専務として入社し、9年後に社長に就任した。

星野さんの仕事への思い

社長には社員が満足して働いていけるように会社を経営していく使命がある。中小企業の社長は大企業の社長と違い、「経営だけではなく会社のすべてを見る必要がある」、「社員に聞かれたことには答えなければならない」と星野さんは言う。その上ではこれまでの様々な業務経験が力となっており、また現在でも勉強に余念がない。過去には専務時代から営業、経理など経験し、さらに労働基準法で短縮勤務、育児休暇、ハラスメント対策等が改定されたことを受け、会社の就業規則の策定と改定も任された。現在でも給与計算実務能力検定の取得に向けて勉強しているそうだ。
このように、様々な経験を土台に社長を務める星野さんのモットーは「みんなで一緒に考えていき、泥臭くやっていくこと」だ。しかし、最後は社長として自分が決断しなければならないとも考えている。

誰にでも働きやすい会社を作る

星野さんは大学を卒業後、父が社長をしていた現在の会社とは違う貴金属関連の会社に就職した。そこで感じた男性優位な風土に対する疑問や、仕事と家庭の両立に関する自身の苦労や経験を、現在の会社の制度として生かしている。
子育てや介護等の事情を抱える社員が働きやすい会社を作り上げるために、時短勤務や育児休暇、さらに介護休暇といった制度を設けた。現在は同社には子育て世代の社員が多くいないことや、利用してもらえそうな社員が親と同居しており制度をあまり必要としていないことから、育休制度の利用はまだないが、多様な社員が働きやすい環境整備は進んでいる。具体的には、1人あたり5日間、通常の有給休暇に追加で与えられる介護休暇制度を設けており、実際に活用もされている。さらに、今後は、社員がより仕事と家庭を両立できるように、自宅勤務も可能にしたいと星野さんは語る。
また、工場は女性従業員が少ないことを改善したいと考えている。女性の活躍のためにも外部の研修に参加できる機会を設けるなどして、性別問わず能力がある社員がキャリアアップを図れるようサポートしていくつもりだという。実際に新潟の工場では従業員を2人ほど外部の女性のキャリアアップのためリーダーシップ研修に行かせ、うち1人を班長として起用している。

中原工場協会での活動を通じて

星野さんは、同社も会員企業となっている中原工場協会で女性活躍推進委員会の委員長を務めている。川崎のような大都市はまだ人材不足には陥っていないが、今後は地方のみならず男女共に人材確保は困難になっていく。そうした中では求人をかけても人が集まらず、もっと働きたい、キャリアを伸ばしたいという女性やマイノリティの人が力を発揮出来るように取り組んでいく必要がある。そのような思いを持って地域の様々な組合や協会などの活動にも参加している。
現在、川崎市は中小企業に目を向けた取り組みをしている。しかし、神奈川県全体においてはまだ充分な取り組みがなされておらず、今後は全体で底上げをして地域に密着させる必要がある。そのために市や県、企業同士でのコミュニケーションを通じて得た様々な見解を生かして、新たな環境を作っていきたいと考えている。
                                        

編集後記

「社会と何処かで繋がっていたかった、仕事をしたことで家族に迷惑をかけたかもしれないがやって良かった」と星野さんはおっしゃいました。与えられた責務を遂行するために取り組んでこられた様々な経験が現在の支えとなっているそうです。
星野さんは自身が諦めずに色々なことにチャレンジしてきた経験から「若いから出来なくて当たり前なので、失敗することを恐れず、諦めないでチャレンジしてほしい」というメッセージをくださいました。私達もこのメッセージを心に留め、失敗を恐れず挑戦し続けたいと思います。

26-11-2

取材日:平成26年8月25日
取材者:道合佑太 田中裕子 羽吹侑矢 高比良春菜

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