H24年度 かわさきの職業人インタビュー

「おいで!人と人が触れ合える場所へ!」

地域子育て応援団「おいでおいでルーム」代表
伊東二美江(いとう ふみえ)さん


長年保育者として勤務されたあと、退職後にママと子どもが気軽に集える場所として「おいでおいでルーム」を開設。最初は自宅で開所したが利用者が増えたため、2008年に現在の川崎市の下新城に移転した。「頑張らなくていい子育て」「みんなで支えあう子育て」をスローガンに活動を行っている。

親子がともに成長できる場所

おいでおいでルームではどのような活動を行っているのですか?

0歳児から未就園児童とその兄弟姉妹を対象に、安心安全の環境の中で、親子で利用できる居場所として活動しています。月に一回は参加型のイベントを計画実施、8月地域においでおいでルームを開放舞踊家の方に来ていただき、地域の子どもたちと交遊しました。そこには22家族39人の子どもが参加してくれました。他にもヨガやストレッチ、わくわくランチなども行っています。

どのようなきっかけではじめられたのですか?

保育園を退職後、長年やってきたボランティア活動など、自分にできることは何かと考えたとき、育ち難さや凸凹の発達を持ち合わせた子どもと関わってきた経験をいかしたいと思い、未就園児を対象として、「おいでおいでルーム」を開設「三つ子の魂百まで」の語源の通り、3歳までに母親との愛着を基にいろいろな経験が大切であり、発達や行動に問題のある子どもの場合、多くの幼稚園や保育園に入園することで、その子にあった保育がおこなわれていますが、就園して初めて子どもの問題に気づく親もいるなど、様々な子育て状況です。そこで、ひとりではないよ!子どもといっしょに地域社会に踏み出す勇気を持って!と呼びかけています。現在も横浜で同じような活動を行っている団体と知り合い、模索しながら地域に根差した活動を目指してスタートしました。

一人で悩まないで、まずは相談

活動を行っていくうえで心がけていることはなんですか?

まずは、おいでおいでルームに来て頂きご縁ができることです。今のママたちは、子育ての疲れから、自信を失っている人が多いです。一人で悩むと、どんどんマイナス思考になり、子どもに対して思わぬ行動に走ってしまう恐れがありますので、一人で悩まず地域社会に一歩を踏み出すことをお勧め、日々の利用者にはできるだけ、だっこや声かけを心がけママたちに寄り添っています。

家族と地域のつながり

苦労されていることはどんなことですか

地域社会に参加できない親子の行方が心配なことですね。おいでおいでルームに来ることで、地域とのつながりができ、人と人との関係で親自身も成長していきます。3年が経過しましたが、活動内容のチラシを配っても、なかなかおいでおいでルームの存在が広まらない現状もあり、一番の宣伝は利用者による口コミでした。もっともっと地域に根ざすために、無料開放日を設け、様々なイベントを企画しています。他に、地域に関る雑誌に載せ多くの親子に知ってもらえるよう、いろいろな取り組みを行っています。

父親の利用もあるのですか?

父親の利用者もあります。やはり平日の利用者は母親が多いですが、イベントの際には父親も協力してくれます。ランチイベントでは、料理人をしている利用者のお父さんが腕を振るって、子どもたちに中華料理をごちそうしてくれたこともありました。また、心理カウンセラーや発達心理アドバイザーの先生に相談にいらっしゃるお父さんもいます。
専業主婦の場合、子どもと過ごす時間はどうしても母親が主体になりますが、父親も子育てに参加したいと思っているのも事実です。

伊東さん一押しの仕事道具


(左:『ニーチェの言葉』白取春彦訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン 、2010、
右:『ノーマルチャイルド』R.S.イリングワース著、山口規容子翻訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル 、1994)
ノーマルチャイルドは保育に関する基礎的なことをまとめた本です。何度も読んでいるうちにボロボロになってしまったので、背表紙はテープで補強してあります。子どもと関わるなかで、どうしたらよいのかわからなくなったときにこの本を読みます。行き詰まったときには、基本に戻ることが大切にしています。
ニーチェの言葉は心が折れそうになったときに読みます。そして元気になって、また次の日から頑張ることができます。

――この二冊の本はいつも机の上において、困ったときにはいつでも手にとることができるようにしているそうです。――

取材を終えて

伊東さんのお話を聞く中で、「人とのつながり」を大切にしていらっしゃることが分かりました。利用者の家族や、地域の方が協力してくれることで毎月楽しいイベントを開くことができます。子どもたちが暑くないようにと、近所の方がテントの提供があり、この夏も大変助かり十分にプール遊びを楽しむことが出来ました。
また、近くの高齢者介護施設との交流を通して子どもたちは、たくさんの人が生きていることを学んでいました。
このように、おいでおいでルームは、たくさんの人の協力によって成り立ち、救い救われ、子どもも大人も地域の方に見守られて育っていることに感謝、ルームの代表としての悩みはあると思いますが、「たのしかった!」と帰る親子の笑顔に支えられていることを取材を通して感じました。

堤 智香
石川 智規
嶋田 弘之
長野 千香子
細根 祐太
2012年8月24日取材

 

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