H24年度 かわさきの職業人インタビュー

男女共同参画時代の保健師 ~今求められる男性の目線~

取材先:宮前区役所 保健福祉センター
取材協力者:飯坂真司(いいざか しんじ)さん


略歴:大学3年次より看護を学び、看護師・保健師の資格を取得。その後、大学院に進学し、高齢者の看護に関する研究を行う。
平成24年度に川崎市に入庁、現在宮前区保健福祉センター地域保健福祉課に配属。

将来に悩んでいる中高生に向けて、柔軟な進路選択のためのアドバイスをいただくため、川崎市では初の男性保健師3人のうちの一人であり、宮前区役所保健福祉センターに勤務している飯坂真司さんにお話を伺いました。

ふれあう保健師

地域保健福祉課のお仕事について教えてください。

区民の皆さんに病気の予防・早期発見を促すことで、健康を守るためのサービスや病気をもって生活する方の支援などを提供しており、具体的には、結核療養支援、生活習慣病の健診(39歳以下の住民向けのメタボリック・シンドローム健診)、BCGの予防接種や介護予防事業、禁煙教室など、様々なジャンルの業務を行っています。川崎市では、区役所が対住民サービスの最前線になっています。

飯坂さんは具体的にどのようなお仕事をされていますか。

どの業務にもかかわっていますが、特に私が担当しているのは結核療養支援、39歳以下の健診、介護予防普及啓発講座などです。また保健師は区内の担当地区をもっており、住民同士の集まりに参加することもあります。
事業の多くは半日単位で開催されています。たとえば午前中は39歳以下の健診を行い、午後には区の介護予防事業のひとつの「いこい元気ひろば」(各区で委託業者により実施されている体操などの講座)の様子を見に行き、参加住民の様子確認や相談に乗っています。また、その合間の時間に、結核患者さんと連絡を取り、服薬支援や療養生活の相談を受けたり、介護予防講演会の準備をしたりしています。
私はまだ就職して間もないので、まだまだ日々の業務を通して勉強不足なことがたくさんあります。業務の中で、私は直接市民の皆さんとふれあうことを大切にしています。市民の皆さんからお礼を言ってもらえると喜びを感じます。

保健師のお仕事に就かれたきっかけは何ですか。


高校の時は教員志望で、大学は文系に進みました。専攻は3年進学時に決めることになっており、1~2年生の教養学部の授業をうけているうちに自分が教育系の分野よりも医療系の分野に興味があることに気づきました。特に、医療分野には治療だけでなく病気の予防や病気とうまく付き合っていくことを目的とした分野があることを知りました。そこで、3年生から方向転換して看護学・保健学系の学部に進みました。
大学院での臨床研究を通して、重症化した状態で入院してくる患者さんや病気を抱えたまま退院しなければならない患者さん、病気の裏に生活上の問題を抱えた患者さんなどを目の当たりにし、私はより地域に密着した保健・医療にかかわりたいと思ったので、保健センターの保健師になりました。

職場の男女比はいかがですか。男性保健師にもっと増えてほしいと思われますか。

男性保健師の採用は今年度が初めてで、川崎市全体でも3人しかいません。
健康講座を開いても主な参加者は女性で、男性の参加率はあまり高くありません。しかし、メタボリック・シンドロームや喫煙などの健康問題を抱えている男性はたくさんいます。そういった方々に効果的働きかけるためには、男性の目線が必要です。男性でも保健師にもっと興味を持ってほしいと思います。
保健師には、話上手でコミュニケーション力が求められ、私も日々痛感しています。ただし「こういう人が向き/不向き」というのは特になく、まずはやる気が大切だと思います。

やる気を経験に!

保健師を目指している学生へアドバイスをお願いします。

専門的な勉強は大学に入ってからでも十分にできます。中学生、高校生のうちは幅広く興味を持ち、様々な経験をしてください。その経験が市民の皆さんと円滑なコミュニケーションをとる上で役に立つこともあります。
暮らしの中で保健・医療との接点を探してみてください。例えば、街を歩いている様々な方や多目的トイレなどの設備などです。専門的な勉強を始めたときに学びと暮らしが結びついて楽しくなると思います。保健や看護以外を目指している方にも、是非一度興味を持ってほしいと思います。

これから社会に出る中高生へのメッセージをお願いします。

私は中高生の時、ソフトテニス部に所属していました。そのチームプレーの経験は社会人になったいまでも役に立っています。
勉強に関しても、高校、大学と進学するにしたがい専門分野が定まります。反対にいえば勉強できる範囲が狭まるので、今のうちに食わず嫌いをせずにいろいろなジャンルに積極的に触れてみてください。また、大学で学ぶ分野は入学前にはわかりづらいことが多いので、オープンキャンパスに積極的に足を運ぶなど、直接触れる機会があるといいと思います。

まとめ

幅広い経験を積むことは、人とコミュニケーションをとる上で役に立つだけでなく、自分に合った仕事を見つけることにつながるかもしれません。
例えば、男性に対して効果的な健康支援を行うため、男性の目線が生かせればいいと思います。女性の保健師が多数を占める今、新しい視点をもたらす男性の保健師が増えていけば、男女それぞれの特性を生かした支援を今以上にできるようになるのではないでしょうか。

✾コラム✾  飯坂さんイチオシの仕事道具

飯坂さんのイチオシは、電動自転車。保健師は地区の住民活動に参加する機会が多く、坂道の多い宮前区では電動自転車が移動に役立つそうです。

(取材日2012年 8月23日)
平林佑太、秋元梨花、小澤晴香、小田川和貴、美齊津明澄

 

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