『フェミニスト・シティ』
発行日:2022年9月
著者:レスリー・カーン /翻訳:東辻賢治郎
出版社:晶文社
発行日:2022年9月
著者:レスリー・カーン /翻訳:東辻賢治郎
出版社:晶文社
日々何気なく使っている駅や建物、道…。私たちが生活する都市に、性差別の仕組みが埋め込まれていると、考えたことがあるだろうか?
ベビーカーを載せづらいバスや電車。歩くことが怖いと感じる夜道。ジェンダーに地理的なレンズを導入することで、これまであたりまえに捉えていたコンクリートやレンガに刻み込まれた性差別の仕組みを発見する。
そういえば、どうして女子トイレはいつも長い行列なのだろうか。それをあたりまえのモノとして受け入れてきたのは、なぜなのか。女友達と遊んだ帰り道、互いに無事の報告をしあう習慣はいつから身についたのだろうか?
都市における著者自身の経験の記述と、調査から見えてくるデータが、私が日々生活する都市に場所を変えて立体的に浮かび上がってくる。そして、この性差別が刻み込まれた都市で、女性をはじめとするマイノリティが「どのようにサバイブしてきたか」を知ることによって、明日からもこの街で生きる勇気に繋がる気がする。
あらゆるジェンダーの人に向かって都市が作られるとき、その街で暮らす私たちの日常はどんなふうに変わるのだろうか?フェミニズム地理学の研究者が自身の身体と日常生活の経験から、切実に紐解く一冊。