パープルリボンプロジェクト

わたしたちは、身近に潜む暴力を見過ごさない、認めない

「女性に対する暴力をなくす運動」について

暴力は、その対象の性別や加害者、被害者の間柄を問わず、決して許されるものではありませんが、特に、配偶者等からの暴力、性犯罪、売買春、人身取引、セクシュアル・ハラスメント、ストーカー行為等女性に対する暴力は、女性の人権を著しく侵害するものであり、男女共同参画社会を形成する上で克服すべき重要な課題です。
 毎年、内閣府その他の男女共同参画推進本部構成府省庁の主唱により、11月12日から25日までを期間として「女性に対する暴力をなくす運動」が実施されます。

 令和2年度から4年度までの3年間を性犯罪・性暴力対策の「集中強化期間」とし、性犯罪・性暴力の根絶に向けて社会の意識を醸成することが大切とされていることから、令和3年度の運動においては、「性暴力を、なくそう」をテーマに取り上げ予防啓発の取組に加え被害のあった場合の相談窓口の周知を実施します。

内閣府の配偶者からの暴力被害者支援に関するサイトこちらからご覧いただけます。

川崎市男女共同参画センターもこの運動期間に併せて以下の取り組みを行っています。

①団体・事業所限定/DV被害者の自立支援のための物資募集
②女性に対する暴力をなくす運動に関するテーマ展示とリーフレットの配布

関連リンク

「パープルリボンプロジェクト」とは

ドメスティック・バイオレンス(DV)をはじめ、個人間の暴力や虐待に関心を呼び起こすとともに、暴力の下に身を置いている人々に勇気を与えようとの願いから、40か国以上に広がっている、国際的なネットワークに発展した草の根運動です。

取り組みへの背景と想い

DVは夫婦や恋人など信頼・愛情関係にある相手から、家庭という私的・閉鎖的な場で、繰り返し持続的に、社会からは見えないかたちで発生するため、その実態の把握や対策が容易ではないという側面があります。暴力とは、被害者に恐怖を与え、自由を奪い、相手をコントロールするための手段になります。暴力は学習されたサイクルで、我慢することで広がります。DVの件数は、2009年度の全国の配偶者暴力相談センターへのDV相談件数7万2792件と、2002年度の約2倍、2009年度の全国の警察署のDV認知件数は2万8158件で2001年度の7倍以上と急速に増加しています。川崎市内のDV相談件数も2004(平成16)年の495件から、2008(平成20)年には1,101件と2倍以上に増加するなど、身近に潜む暴力の被害者を増やさないためにも早急に取り組むべき課題の一つです。
全国、神奈川県及び川崎市のDV相談研修

※平成31年度数値は令和元年度数値として記載
※令和2年度内閣府数値は、令和3年11月8日現在未発表、本市の数値は令和3年12月に発行予定の「男女平等推進行動計画年次報告書」の記載をもって公表する予定

相談件数や調査結果等から、少数の人だけが被害を受けているのではなく、多くの人が被害を受けていることがわかります。

すくらむ21では、センター設立10周年を記念し、パープルリボンプロジェクトを立ち上げました。パープルリボンプロジェクトを通じて、暴力の下に身を置いている人々のエンパワーメントと安全を目指しています。取り組みの1つとして、パープルリボンの活動を知らせるためパープルリボンをあしらった“しおり”を製作し、さまざまな場所へ配布・協力をお願いしています。また、毎年、大学生や社会人のインターンシップ生と一緒に新たなグッズづくりにも取り組み、暴力を許さない社会、見過ごさない社会づくりへつなげていきます。

具体的なプロジェクトの取り組み

パープルリボンのしおり製作・配布

パープルリボンしおり
パープルリボンをあしらった“しおり”を製作しました。DV防止に対する意識の向上を目的としたしおりであるため、手に取りやすく、できるだけ長く使っていただけるような形状(厚み、サイズなど)を心がけたデザインとしました。川崎市内、および県施設のDV被害者相談窓口電話番号などを掲載した、リボンをかたどったしおりです。

初年度、市内の書籍販売店39ヶ所、市立図書館12ヶ所、市内外の大学6校など、延130ヶ所のご協力をいただき、その後毎年、しおりの配布・設置箇所を増やしています。実際にしおりをみて、暴力被害に関する相談につながっています。

初年度に引き続き、タクシーへの配布、公共施設及び地域のおもちゃ屋などの商業施設店舗のほか、新規に民間保育園、神奈川県赤十字献血センターや個人医院などにも新たに配布しました。そのうち、大学生のインターンシップ研修生たちが、高津区周辺書店など19 箇所(4,150 枚)を配布しました。事業者としては川崎商工会議所の紹介を受け、川崎駅周辺にある商業施設「さいか屋」「かわさきBE」「アゼリア」など従業員のバックヤードへのポスター掲出、女子トイレ等のしおり配布の協力を得ました。さらに、初年度に引き続き、社団法人神奈川県タクシー協会川崎支部に所属する計1,446 台のタクシー全てにパープルリボンしおりを設置しました。
2011年度末までで、合計77,650 枚配布しました。しおりを見て、ハロー・ウィメンズ110 番への相談が寄せられるなど困っている相談者への一助となっています。

年度 協力団体・期間など
2009 川崎市内の書店(45店舗):文教堂・有隣堂等市内の各店舗
2010 川崎市内のタクシー(1500台):川崎市タクシー協会
2011 女子トイレ・受付等への設置
川崎市内の美容院(305店舗):美容連絡協議会
川崎アゼリア(全4カ所)
ソリッドスクエア(全42カ所)
教育文化会館・各区市民館(全7カ所)

そのほか、従業員向けにパープルリボンプロジェクトの情報掲示を協力いただいている施設もございます。

オリジナルキャラクターの名前募集・コンテストの実施及び展示

◆投票期間   :2012(平成24)年9 月20 日(木)~10 月20 日(土)
◆投票箱設置箇所:川崎市内各区図書館(7 箇所)、市民館(7 箇所)、すくらむ21
◆キャラクター名:パル・・・26 票/159 票

すくらむ21 まつりにて、キャラクターの名前、パープルリボンの取り組みを掲示して紹介しました。併せて、まつり参加団体であり、施設利用団体の「高津パッチワークサークル」の協力でキャラクターを入れたタペストリーも新たに作成提供されました。
オリジナルキャラクターの紹介用の人形も、昨年度のインターンシップ生(2 名)が継続して関わり、製作しました。

事業所での予防啓発のためのポスター

デートDVパネルの紹介

デートDVパネル(神奈川大学)2013年11月 女性への暴力防止キャンペーンの一環としてご紹介しています。

2013年度 長期インターンシップ研修生が身近にデートDVがあることを発信する目的で学内に展示するパネルを制作しました。
写真は、神奈川大学での展示の様子です。
展示協力いただいた学内の相談窓口のダイヤルも掲載しています。

▼展示パネル(各パネルをクリックするとダウンロードできます。)
デートDVって意外と身近?(PDF)恋人関係が気になっているあなたへ(PDF)友達の恋愛関係を心配だなと思ったら(PDF)誰にもわかってもらえない!と悩んでいるあなたへ(PDF)

予防の輪を広げる目的で作成したパープルリボンクリアーファイル


川崎市医師会、川崎市看護協会、川崎市社会福祉協議会の協賛を得て、作成したパープルリボンをあしらったクリアーファイル。DVと虐待の関係の深さから保育園のほか、医療関係者、教育関係者への周知・予防への呼びかけ用として配布しました。(2010年度)

図書館での図書紹介とパープルリボン運動の紹介

市民グループとともに、手仕事でつながるパープルリボン


高津パッチワークサークルさんがキルトで作るパープルリボンタペストリーを制作してくれました。サポートグループ相談時やパープルリボンの紹介展示に飾っています。

大学生といっしょにつくるパープルリボンのグッズ

パープルリボンの形のベンチ

大学生といっしょにKSコミュニティアカデミーの社会人研修生がデザイン・製作したパープルリボンの形のベンチ。

牛乳パックで製作しています。パープルリボンのベンチを作成して子どもからお年寄りに座ってもらいながら、パープルリボン運動について考えるためのベンチです。

パープルリボン普及キャラクター、パル

パープルリボン普及キャラクター

市民投票の結果、名前は「パル」に決定しました!
暴力の被害者はデートDVという形で若年層の間でも広がっています。パープルリボン普及キャラクターは、学生が考案した川崎市男女共同参画センターオリジナルのパープルリボン普及キャラクターです。大学生たちが情報をわかりやすく発信して少しでも身近に伝えていきたいという思いで作成しました!

オリジナルのつめやすり

そのほか、若年層への暴力の予防のために作成した”つめやすり”です。ポーチに入るサイズで、携帯しやすいサイズにこだわっています。

DV(ドメスティック・バイオレンス)とは

ドメスティック・バイオレンス」とは何を意味するかについて、明確な定義はありませんが、一般的には「配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力」とされ内閣府では「配偶者からの暴力」という言葉を使っています。一口に「暴力」といっても様々な形態が存在します。これらの様々な形態の暴力は単独で起きることもありますが、多くは何種類かの暴力が重なって起こっています。

平成29(2017)年度の取り組み

【九都県市】言い訳にしない「好きだから」~ストップ デートDV~(九都県市共同キャッチフレーズ)

川崎市男女共同参画センターの夏期大学生が作成したポスター

九都県市では、若年層における交際相手からの暴力(いわゆるデートDV)の未然防止に向けて、共同キャッチフレーズを作成しました。「女性に対する暴力をなくす運動」期間を重点期間として、キャッチフレーズを使用して、さまざまな啓発活動を行っています。
川崎市では、大学生が作成したポスターや、女性に対する暴力根絶のシンボルマークであるパープルリボンを活用した「しおり」を図書館等で配布します。

川崎市男女共同参画センターの夏期大学生が作成したポスター

インターンシップ期間中にデートDVのワークショップで学んだことを専門家の助言を受けながらまとめました。
市内にある県立高校、市立高校、近隣大学、市民館などの公共施設にて期間中に掲出いただいております。